ONE DAY(KUWATA BAND-Single<No.4>)

2023年7月8日土曜日

KUWATA BAND シングル

t f B! P L

 《ONE DAY》

発売日:1986/11/5
チャート最高位:1位(オリコン)
売上枚数:19.8万枚

レビュー

(1) ONE DAY ★★★★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 KUWATA BAND

KUWATA BANDのラストを飾るシングル。とにかく「渋い」歌。ピアノの静かなイントロから始まり、ラスサビの壮大なコーラス、そしてまたピアノの調べで終わるラスト、カッコつけすぎともいえるほどハードボイルドな曲だが、どうやらKUWATA BAND結成前にはできていたらしい(中山康樹『クワタを聴け!』より)。
サザンで演れば、また違ったアレンジになったのだろう、そのバージョンも聴いてみたい気もするが、結果論としてこの曲はKUWATA BANDのこのアレンジで良かったのかもしれない。
ただ、「夢見るような瞳のLady~♪」と転調するパートが、何か好きになれないのだ。なんか、せっかく気持ちよく収まっていたものに異物を投入されるような感覚になるのは私だけだろうか。「Oh!クラウディア」や「星空のビリー・ホリデイ」など、この頃の桑田バラードによく多用された手法で、曲に変化をつけたい思いがあるのだろうが、私の耳には不自然感の方が強く残ってしまう。この手法は後にサザン最大のヒット曲「TSUNAMI」でも用いられるが、こちらではしっかりと軌道修正がなされており、ごく自然に、そして効果的な転調がなされている。

(2) 雨を見たかい(HAVE YOU EVER SEEN THE RAIN) ★★★★★★★

作詞・作曲 John Cameron Fogerty
編曲 KUWATA BAND

アメリカのバンド「Creedence Clearwater Revival(CCR)」が70年代に発表した楽曲のカバー。カバー曲を歌う桑田のヴォーカルは、後にAct Against Aigsなどで様々なカバー曲を桑田流に歌いこなしてしまうように、まさに個性の塊であり、その力をまざまざと見せつける。KUWATA BANDの活動自体を否定してしまうことになりかねないが、桑田が作ったオリジナルの洋楽風の楽曲ではなく、外国人が作った洋楽を桑田が「歌唱」することの方が大いに魅力があるというのは皮肉な話である。

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