NUDE MAN(Album<No.5>)

2022年1月9日日曜日

アルバム サザンオールスターズ

t f B! P L

《NUDE MAN》 ★★★★★

発売日:1982/07/21
チャート最高位:1位(オリコン)
売上枚数:97.1万枚

レビュー

5thアルバム。このアルバムを初めて聴いたのは中学生の頃だったが、やけに地味な曲が多いなぁと思ったのが第一印象。あまり華やかな曲はなく、全体的にじめ~っとした感じのアルバム。当時中学生の自分にはあまり好きになれなかった。しかし、「夏をあきらめて」「匂艶THE NIGHT CLUB」「Oh!クラウディア」などの名曲もポツポツ入っており聴き逃すことはできない。なお、このアルバムは発売した1982年のアルバム年間売上第3位である。

(1) D.J.コービーの伝説 ★★★★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ

かっこいいギターリフで始まるロックンロールナンバー。この頃明らかに影響を受けたと思われるビリー・ジョエルっぽいメロディもよくていい曲なのだが、編曲が地味というか、もっとカッコよくなるのにな~と思いながら聴いている。2003年の流石だ真夏ツアーで演奏されたのが印象的で、ライブ映えのする曲だなぁと思ったので、もっと演奏される機会が増えてほしい楽曲だ。ちなみに「コービー」は親交の深い小林克也氏のこと。

(2) 思い出のスターダスト ★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ

大人の雰囲気漂うソウルバラード。こういう雰囲気が好きな人ならいいのかも知れない。私はパス。ただ、2015年年越しライブ「ひつじだよ!全員集合」で久々にライブ演奏を聴いたときはなかなかよかったので★1つプラス。

(3) 夏をあきらめて ★★★★★★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ
弦・管編曲 八木正生

サザンとしてのシングル発売はしていないが、ライブでもいまだにかなりの高確率で演奏されることや、研ナオコのヒット曲でもあることから知名度は高い曲。「THE桑田節」の歌謡風メロディと、せっかく海に来たのに雨に降られて台無しになったという切ない情景の歌詞が素晴らしいほどの融合を見せており、極めつけは英語詞のサビ部分、カッコよすぎる。ライブでアレンジした桑田の歌い方もカッコいいし、この時期の指折りの名曲ではないだろうか。
2023年7月8日に放送された「やさしい夜遊び」では、この曲のレコーディング時期に桑田は顎関節症を患っていたようで、「パシフィックホテル~♪」の部分の「テ」がうまく口が開かずに変な発音になっていると本人が語っていた(桑田の場合、もともとタ行の発音が英語っぽくくずされているため、違和感はあまりない)。

(4) 流れる雲を追いかけて ★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ
弦・管編曲 八木正生

このアルバム唯一の原由子ヴォーカルのナンバー。ハルビン、大連など旧満州国の地名が登場する、20世紀前半をイメージさせる曲。楽曲自体も、原坊のヴォーカルものほほんとした感じで、次曲のための「嵐の前の静けさ」的な曲。

(5) 匂艶 THE NIGHT CLUB <Single.15>

(6) 逢いたさ見たさ病める My Mind ★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ

電話を呼び出す音、そしてため息。酔った勢いで抱きすくめてしまったことで彼女を傷つけてしまった男が、彼女に嫌われたんじゃないかと悲しくなっている歌。1998のAAA「オールリクエストショー」でなぜか演奏していたのを思い出すが、個人的にはそれほど好きな曲ではない。

(7) PLASTIC SUPER STAR (LIVE IN BETTER DAYS) ★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ
管編曲 新田一郎

桑田たちサザンのメンバーの大半が所属していた青山学院大学の音楽サークル「ベターデイズ」にて演奏されたライブテイク。ギターメインの単純なロックナンバーで、このライブデイクバージョンのみが存在し、スタジオテイク版はない。

(8) Oh!クラウディア ★★★★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ
弦・管編曲 新田一郎 & 国本佳宏

イントロクイズをやったら「いとしのエリー」と間違えそうな出だしで始まる、桑田お得意のDメジャーバラードナンバー。シングルカットはされておらず、このアルバムとバラッド1にのみ収録されているだけの曲だが、サザンの名バラードとして人気の高い曲。Bメロ以降のコード進行はかなり凝っており、いろいろ試行錯誤したであろう様子が垣間見える。「KAMAKURA」に収録されている「星空のビリー・ホリデイ」と似た雰囲気を感じる曲だが、個人的には両曲とも逆に試行錯誤しすぎて楽曲の良さが半減している印象を受ける。もっとシンプルでいいんじゃない、と思ったりもする。

(9) 女流詩人の哀歌 ★★★★★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ
弦・管編曲 新田一郎

この時期の桑田はこういった「黒っぽい」曲もかなり発表していて、個人的には大好きなのだが、この曲もまたいい。しかしライブで演奏されることはほとんどないため、もっとライブでやってくれてもいいのにと思う曲の1つである。こういう曲がアルバムの中にポンと入っているあたり、この頃の桑田佳祐というアーティストが、いかに神憑っているかというのを表している。もう一度、こういう曲を書いてほしい。

(10) NUDE MAN ★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ

この曲からこのアルバムは下降線の一途をたどる。なんと歌詞カードに歌詞が載ってないという適当極まりない感じが楽曲にも表れている。桑田のわざと出したダミ声も不快で、ほとんど聴いたことのない曲。

(11) 猫 ★★★

作詞・作曲 大森隆志
編曲 サザンオールスターズ

2001年にサザンを脱退したギター・大森隆志が作詞・作曲及びヴォーカルを担当した楽曲。いわゆる「リバプールサウンド」を隠そうともしない楽曲で、これといった個性はないが、曲として悪い曲ではない。ただ、やはりヴォーカルが、、、である。サザンもルーツからして「全員作曲できて歌も歌えて」的なバンドに憧れるのもわからなくはないが、職場のカラオケレベルの歌を聴かされる方はたまったものではない。酷評と思われるかもしれないが、我々もプロの仕事に接したくてお金を払っているのである。百歩譲って作曲は大森がやったとしても、ヴォーカルは桑田に取らせるべきだったと思う。「餅は餅屋」なのだ。

(12) 来いなジャマイカ ★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ

本当に初期の桑田はレゲエが好きだ。この曲もガッツリとレゲエをやっている。しかし敢えて言う。桑田にレゲエは似合わない(少なくともこの頃のヴォーカル力では)。それだけである。この曲もほとんど聴かない。

(13) Just a Little Bit ★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ
弦・管編曲 八木正生

本格的なジャズ・バラッド。サックスの音色が70~80年代の雰囲気を思い出させる。ただ、桑田の個性はみじんも感じられず、せっかくの壮大なバラードの割には埋没してる感のある曲。

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