いつか何処かで(I FEEL THE ECHO)(桑田佳祐-Single<No.2>)

2023年10月20日金曜日

シングル 桑田佳祐

t f B! P L

《いつか何処かで(I FEEL THE ECHO)》

レビュー

発売日:1988/3/16
チャート最高位:2位(オリコン)
売上枚数:26.4万枚

(1) いつか何処かで(I FEEL THE ECHO) ★★★★★★★★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司

悲しい気持ち」に続き、ソロシングル2曲連続で★10をつける。個人的には桑田佳祐ソロ作品の中で1番と言っていいほど大好きな作品である。
この曲もまたイントロがいい。全体的に切ない楽曲を包み込むかのような珠玉のアレンジ、小林武史の才能があふれ出ている。
Aメロ、低めの音程を抑えめにささやくように歌い、サビでは想いが弾けるかのように高音の美しいメロディをしぼるように歌うという、桑田的バラッド手法は「いとしのエリー」に端を発するが、この曲でより歌唱力が洗練され、後の「真夏の果実」「TSUNAMI」へと帰結していく。
ちなみに、Aメロ「今も忘れない 夢の別れ道~」の後に発する「Oh Oh Oh~♪」というミレド音階(もう1音加わったものや、「Oh」ではなく「yeah」の場合も含む)を、桑田佳祐はわりと多用する(例:「夕陽に別れを告げて」や「Bye Bye My Love」の間奏前、「TSUNAMI」の間奏中、「HOTEL PACIFIC」のラストフレーズ前、「あなただけを」の「を~oh oh~」の部分等)。超マニアックな話だが、私はこの「oh」や「yeah」を連続するときの桑田の発声方法がたまらなく好きである。桑田の「oh oh~」は、いわゆる「ウォウ ウォウ」的発音ではなく、リコーダーで言う「タンギング」のように1音1音を喉で切るように発声する歌い方をすることが多く、これをカラオケでやるとたまらなく気持ちいい。
さて、本題に戻るが、タイアップとしては、JALのCMソングや「彼女が水着に着替えたら」の挿入歌として使われたほか、2021年にはユニクロが桑田佳祐ソロ楽曲をCMに多数使ったことに伴い、この曲も使われた。「悲しい気持ち」に比べると、ライブでの演奏頻度はそこまで高くないが、このイントロが流れると体に電流が流れるほど高揚感に包まれる。近年、高音域の声が出づらそうにしている桑田だが、2022年のツアー「お互い元気に頑張りましょう」では、しっかりと歌い上げていた。

(2) SHE'S A BIG TEASER ★★★

作詞 Tommy Snyder
作曲 桑田佳祐
編曲 桑田佳祐

KUWATA BANDの延長戦のような曲で、全編トミー・スナイダーによる英語詞のロックナンバー。
アメリカの人気デュオ、ホール&オーツを迎え、ニューヨークでレコーディングされた。まだまだこの時点で桑田は海外進出を視野に入れていたのか、その熱いたぎりのようなものが溢れ出ている一方で、桑田佳祐の良さや個性が完全にかき消されてしまっている。

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