ステレオ太陽族(Album<No.4>)

2022年1月9日日曜日

アルバム サザンオールスターズ

t f B! P L

《ステレオ太陽族》 ★★★

発売日:1981/07/21
チャート最高位:1位(オリコン)
売上枚数:48.3万枚

レビュー

4thアルバム。学生ノリでデビューしてから約3年、楽曲もだいぶ洗練されて幅も広がっている印象がある。映画「モーニングムーンは粗雑に」という映画に使われた曲がたくさん入っておりサウンドトラック的なアルバムにもなっている。ファンからの評価も割と高いようだが、個人的には「なし」。もしリアルタイムでこのアルバムを聴いていたらどのような印象を持ったかわからないが、すでに「世に万葉の花が咲くなり」を聴いた後にファンになった私としては、すべてが「中途半端」。楽曲としていい曲もたくさんあるが、歌い方が好きになれなかったりなど、私の耳にはピンと来ない。正直、このアルバムから「綺麗」までのアルバムは私にとって鬼門であり、そんなに頻繁に聴くことはない。

(1) Hello My Love ★★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ
弦・管編曲 八木正生

桑田佳祐が初期に得意としていたジャズソングの1つ。さわやかな出だしから、弾むようなリズムに移り、どんな曲が始まるんだろうとワクワクするようなイントロは秀逸だと思う。ただ、イントロの割に曲はイマイチ盛り上がらないという印象。いい曲だとは思うがもう一つ何かが足りない!というはがゆさを感じる曲。

(2) My Foreplay Music ★★★★★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ

このアルバム随一の名曲。なんといってもイントロのピアノ。ライブでこのイントロが流れると悲鳴モノ。流れるようなメロディーラインも秀逸で、ビリー・ジョエルが作った曲を桑田佳祐が歌ったらこんな名曲ができたよ、っていう曲。タイトルの「Foreplay」は前戯を意味するということは有名。曲はステキなのに歌詞はただのエロ、という桑田の典型的な曲。

(3) 素顔で踊らせて ★★★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ

うーん。。いい曲なんだけどなぁ。私が小さい頃、なにかの番組のスッピン美人みたいなコーナーで使われてたというかすかな記憶があり、初めて聴いたときから聞き覚えのある曲だなぁと思っていた。全体的にけだるい感じのスロウでメロウな感じのバラードで、サビのメロディはとても好きでハマった時期もあったんですが、Aメロ、Bメロがイマイチ好きになれず。もう一歩で名バラードになりそうな予感はあるんだけどなぁ。。

(4) 夜風のオン・ザ・ビーチ ★★★★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ

この曲もいい曲だが好きになれない曲の一つ。この頃の桑田の得意パターンのひとつでもある気だるい感じの渋い曲で、雰囲気は大好きなんだけど、そもそも歌い方が嫌い。ネチネチしていて耳障りにすら聴こえる。イントロの感じとか、いいんだけどなぁ。。
<2020年追記>
コロナ禍のオンラインライブ「ほぼほぼ年越しライブ」で久々の演奏を聴いて★2つ追加。「10ナンバーズ・からっと」の2曲目「奥歯を食いしばれ」でも述べたが、楽曲の佳さに当時の桑田のヴォーカル力が追い付いてなかった印象。64歳になった桑田が歌い、手練れのミュージシャンが演奏することで、ようやくこの曲が輝いた。もともとの楽曲がいいだけに、シビれた。

(5) 恋の女のストーリー ★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ

これまた気だるい感じの楽曲。エレキピアノの音が印象的なスローバラード。が、それ以上でもそれ以下でもない。特に魅力を感じる曲ではない。

(6) 我らパープー仲間 ★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 八木正生

この歌もダメ。合わない。八木正生さんが編曲ということもあり、ホーンセクションがにぎやかな曲でメロディも独特だが全くいいと思わない。
ちなみに「パープー」とは広島弁で「バカ」というようなニュアンスの意味だそうだが、当時桑田は「気の置けない愉快な仲間」という親しみを込めた意味で「パープー仲間」という言葉を使用していたようで、このアルバム発売後のツアーの名称も「愛で金魚が救えるか PAAPOOツアー」と銘打っているが、この曲はなぜか演奏していない。
なお、後半のコール&レスポンスの部分はこの頃日本でも上映された映画「ブルース・ブラザーズ」内で流れる「Minnie the Moocher」という曲のオマージュになっている。

(7) ラッパとおじさん(Dear M.Y's Boogie) ★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ
弦・管編曲 八木正生

M.Yとは当時アレンジでかなりお世話になった八木正生さんのこと。楽曲はエリック・クラプトンへの憧れを隠そうともしないようなブギウギなブルース。歌詞は全編英語詞(途中の合いの手では日本語も出てくる)。こちらは同じ「ブルース・ブラザーズ」中の楽曲「Sweet Home Chicago」のオマージュか。

(8) Let's Take A Chance ★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ
弦・管編曲 八木正生

すいません、低い評価ばかりで。。ホント、入り込めないんです、楽曲に。レゲエっぽいようでそうでもない、何とも言えない曲。

(9) ステレオ太陽族 ★★★★★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ

★低めの曲がずっと続いて、このままこのアルバムは終わってしまうのかぁ…と絶望の淵に立たされていたとき、フェイドインでキレイなイントロが。これはついにキタんじゃないですかー!と心弾ませる。案の定、楽曲は可憐で桑田のささやくようなヴォーカルが冴える佳曲。この曲があるだけでもこのアルバムを聴いててよかったーと思ったのもつかの間、曲は1コーラス目が終了するとあっさりとフェイドアウト。何だよそれー!!全く、このアルバムにはとことんガッカリ。とはいえ、この曲はホントにいい。こういう可憐でそれでいて大人な楽曲はこの頃の桑田ならでは。後に「女流詩人の哀歌」「EMANON」「よどみ萎え、枯れて舞え」などにつながっていくこの流れは大好き。いつか、この曲のフルコーラスバージョン作ってくれないかなぁ(笑)

(10) ムクが泣く ★★★

作詞・作曲 関口和之
編曲 サザンオールスターズ

ムクちゃんこと関口和之(ベース)の作詞作曲&ヴォーカル作品。曲調はビートルズの「ノルウェイの森」みたいな感じで独特な雰囲気はある。よくある「バンドメンバーの作曲担当じゃない人ががんばって作って歌ってみたけどイマイチな曲」の典型。まぁ、それ以上でもいれ以下でもない曲。

(11) 朝方ムーンライト ★★★★★★★

作詞・作曲 桑田佳祐
編曲 サザンオールスターズ

映画「モーニングムーンは粗雑に」の挿入歌として使用された。桑田はこういうアンニュイな、けだるい感じの曲を書かせたら本当に日本一だと思う。この時期の楽曲にはこういう雰囲気の曲がちょくちょくあるが、どれも素晴らしい楽曲が多い。この曲は単調だがメロディが秀逸なので飽きを感じさせない。一皮むけたサザンのサウンドがとても心地いい。

(12) Big Star Blues <Single.12>

(13) 栞のテーマ <Single.13>




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